10年ぶりのメジャーリリース「ReactOS 0.4」がついに登場

 ReactOS開発チームは2月16日、「ReactOS 0.4.0」をリリースした。0.3から約10年を経てのアップデートとなり、無線ネットワークのサポートなど多数の機能が加わっている。

 ReactOSはWindowsアプリケーションやドライバを動かすことができるオープンソースのOS。ReactOS 0.4は、2006年8月に公開された0.3.0系に続くメジャーアップデートとなる。0.3系の最新版は2015年11月に公開された0.3.17。

 バージョン0.4.0ではさまざまな機能が盛り込まれた。まずext2ファイルシステムの読み込み/書き込み、NTFSの読み込みが可能となり、シリアルATAインターフェイスもサポートされた。USBのサポート、音声のサポートも強化した。さらに要求の多かった機能として、0.3.17で16ビットのDOSアプリケーションのサポートを実現した。NT Virtual DOS Machine(NTVDM)の実装により実現しており、継続的に改善してきたという。

 ネットワーク関連機能ではバージョン0.3.14で無線のサポートが加わり、0.3.17ではSSLにも対応した。メモリ管理ではコードをクリーンにするなどの改善が図られている。

 外観では、新しいエクスプローラーインターフェイスとテーマを導入した。グラフィックでは最適化により2Dグラフィックのレンダリングが高速になり、0.3.17よりスタートした3Dのサポートも改良を続けているという。

 開発者向けの機能としては、ビルド自動化ツールCMakeによりGCCとMSVCでのコンパイルをサポートする。コンパイル時間が大幅に短縮され、カーネルデバッグ向けのGDBリモートデバッグインターフェイスも導入した。Windows向けのデバッガWinDgbにも対応する。

ReactOS
https://www.reactos.org/